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塾長コラム

自叙伝5(岩國ゼミ 前編)
自叙伝

大学2年に進級したばかりの1997年5月

下北沢にあるタウンホールにて

岩國哲人ゼミナールの説明会が行われた。

 

各大学にポスターを貼るだけというシンプルな広報活動にもかかわらず

会場は数十人の学生でいっぱいだった。

何か大きな刺激を求めている者から受験競争を勝ち抜いてきた自信家まで

普通よりは遥かに意識の高い学生が集まっていたと思う。

 

この数十人の学生を前にして

一人のスーツを着た学生が岩國ゼミについて説明をした。

 

説明の内容も予想どおりすごかったが,

その学生の堂々としたたち振る舞い

滑舌の良さ

話のうまさ

スーツの着こなし

とにかく,いろいろなことに私は衝撃を受けた。

 

「同級生でこんな人間がいるのか」

 

一言でいえば,その学生にはオーラがあった。

今まで同級生レベルでそんな人物に会ったことがなかった。

 

その学生は小山有彦という。

現在東京都議会議員として活躍している人物だが

この時すでにその存在感は他を圧倒していた。

 

もちろん私は岩國ゼミへの入ゼミを決めた。

まだ政治にも経済にもそれほど関心もなかった私にとって「ついていけるか?」という不安はあったが,

小山氏をはじめとして,それまでの人生では出会わなかったタイプの人たちの中で

何か得られるものがあるのではという好奇心が遥かに大きかった。

 

当時の岩國ゼミは「経済」「グローバル」「地方分権」の3つの部会に分かれていて

普段は部会単位で勉強会を行っていた。

私は経済学部だったこともあり,経済部会へ所属した。

 

その最初の部会は明治大学内の教室で行われた。

議論されているテーマが何だったのかは覚えていない

ただ,意味不明の用語が飛び交っていたのだけはよく覚えている。

 

A:「地方分権は権限と財源を地方に移譲しないと云々・・・」

B:「私は幼少期,ドイツに3年居ましたが,かの国では云々カンヌン・・・・」

 

チホウブンケン?

ケンゲン?

ザイゲン?

キセイカンワ?

セイビシンカンセン?

コウゾウカイカク?・・・

 

「まるで意味が分からねぇ」

 

恥ずかしい話,用語の意味はもちろん,

その用語を漢字でどう書くのかすら分からなかった。

 

「あの,キセイカンワってなんですか?」

なんて聞ける雰囲気ではない。

何か喋ると自分の無知っぷりがバレそうだったので

私はひたすら黙って話だけを聞いていた。

 

勉強会の方は意味不明だったが

その後の飲み会での議論は面白かった。

日米安保問題に始まり,人生論,恋愛論など,

酒が入っての討論は大いに盛り上がった。

 

経済部会には,就職活動中の4年生も多くいた。

この4年生たちがまたカッコイイのだ。

当時はバブル崩壊後の就職氷河期まっただ中

企業の採用予定人数は毎年大幅に削られていった時代だった。

 

その中で,岩國ゼミの4年生たちは大企業に次々と内定をもらっていくのだ。

就職活動の武勇伝

内定を断ったときの話

4年生の語る内容は,そのほとんどが自慢話だったが

聞いていてとても勉強になったし,憧れを抱いた。

 

こうして

勉強会ではひたすら聞き役

その後の飲み会で盛り上がる

という日々が続いていたある日

4年生から指令が下った。

 

「来月のゼミでは君が何か発表してくれ」

 

さあ困った。

相手は東大,一橋,早稲田,慶應,明治,中央,上智などが居並ぶそうそうたるメンバー

就職活動をくぐりぬけてきた自信家も多い

そんな中で世間知らずの大学2年生が何を発表すればいいのか・・・

 

焦りに焦りまくった果てに・・・

 

開き直った。

 

「こうなったら誰の手も借りずに,みんなが感心するような発表をしてやろう」

 

腹はくくった。

あとはテーマと・・・勉強だ。

 

翌日から図書館巡りの日々が始まった。

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