• Facebook
  • X
  • Youtube
  • Instagram

入ゼミに関するお問い合わせはこちら

084-922-0630

〔受付〕平日(月~土曜)10:00~22:00

塾長コラム

自叙伝7(岩國ゼミ 後編)
自叙伝

大学4年生

すでに大学での単位をとり終わっていたこともあって

4年の授業はゼミがあるだけ。

その他の時間はほぼ岩國ゼミに費やした。

 

5月

大学のサークル勧誘活動が一通り落ち着くこの時期に

岩國ゼミは新ゼミ生の募集活動を始める。

説明会では数十人の学生を前にしてマイクを握った。

2年前の小山氏と同じ立場で。

私に彼ほどのオーラがあったかは自信がないが

この年,岩國ゼミは35大学130名という大所帯になった。

 

この頃の岩國ゼミは

「政治」「経済」「グローバル」「社会学」「人間科学」の5つの部会で構成されていて

それぞれの部会長が岩國ゼミの副事務局長を兼ねていた。

5人の副事務局長のうち,東大生が3名・・・

その中にひときわ頭脳明晰な男がいた。

以下,東大君と呼ぶことにする。

 

この東大君

高校時代は全国模試の上位常連で,東大へは現役合格。

国際問題に明るく,論戦が得意

学年は1つ下だったが,実にクソ生意気な人物だった。

当然,私とはあまりそりが合わない。

 

ある日,東大君がとても動揺した様子で電話をかけてきた。

どこかの駅で岩國ゼミの部会名簿を落としたのだが,

それを拾った人物と電話で揉めているとのこと。

 

「オマエ,せっかく好意で電話してやったのにその態度はなんや!

俺は〇〇〇系の〇〇〇やぞ」

みたいな感じ?

 

人生を順風満帆に歩んできた東大君だが,

このようなイレギュラーな場面に対応する術は身につけていない。

これから拾い主と銀座のホテルで会うことになり,

どうして良いか分からず私に電話をかけてきたのだ。

 

あの小生意気な東大君が危機に際して私を頼ってくれている。

なんと嬉しかったことか。

「よっしゃ,オレが一緒に行ったる」と伝えて家を出た。

 

私の学生時代は,基本的に短パン&Tシャツに雪駄といういでたちだ。

真夏の特に暑い日だったこともあり,同じ格好で駅に着いた。

すると東大君はスーツ姿に菓子折まで用意しているではないか!!

「なんて格好で来たんですか!」と少しご立腹だったが

「いいか,全ての話は俺がする。おまえは黙って最後に一緒に頭を下げろ」

と指示してホテルへ向かった。

 

交渉はあっさり終わった。

どうやら先方は本当に東大君の最初の対応に腹が立ち

面と向かってガツンとやってやりかっただけのようだ。

岩國ゼミの活動内容などひととおり話をして謝罪したところで

「君らのような若い人がいれば,この国の将来は大丈夫だ」とかおだてられ

コーヒー代をご馳走してくれた。

このできごとを契機に,東大君とはとても良好な関係になった。

「自分はこれまで表面的なことを学んできただけで,人生で本当に必要なことが抜けていました。同時にこ
れから何をやるべきか気づきました」と激しく感謝された。

私にとっては「え?これで終わり?」的な顛末だったが,

この一件を「人生」をテーマに吸収するあたり,やはり東大君は只者ではない。

 

彼の名誉のために加筆しておくが,

東大君は大学卒業後

大手都市銀行から外資系企業を経てノースカロライナ大学経営大学院でMBAを取得

現在は世界的飲料メーカーで財務の仕事をしている。

フジゼミの良き理解者であり

就職活動中の卒業生の相談に乗ってもらうこともよくある。

 

話を岩國ゼミに戻す。

事務局長になるといろいろやることが膨大になる。

・岩國ゼミ全体の運営を決める事務局会議

・年4回行われる総会や,OB会の企画運営

・講演会の講師との折衝
・岩國哲人事務所との連携

・それらに伴う広報活動をはじめとする雑務全般

などなど

大変ではあったが,この経験が社会人としての土台につながったのは言うまでもない。

 

大学生は4年間という自由な時間の中で

何にでも挑戦し,人に出会い,世界を広げることができる。

私はこの貴重な時間で岩國ゼミに出会った。

そのことに心から感謝しつつ,

フジゼミから大学へと巣立っていく若者たちに

大きな期待と憧れ,そして少しの嫉妬心を抱きながら見送っている。

ご相談やお問い合わせはこちら

お電話でのお問い合わせはこちら

084-922-0630

〔受付〕平日(月~土曜)10:00~22:00