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塾長コラム

自叙伝9(サラリーマン時代)
自叙伝

2000年4月,社会人としての新たな生活が始まった。

 

1ヶ月間の研修期間を経て,配属面談が行われた。

希望する勤務地,希望する部署を聞かれるわけだが

同期の誰もが勤務地は東京本社か大阪本店,

部署であれば「人事部」や「建築事業本部本部長室企画課」など

いかにも花形そうなネーミングの部署を希望した。

そんな中,私はためらうことなく札幌支店の総務部総務課を希望した。

 

大林組は社員数1万数千名を抱える企業だ。

新入社員のペーペーが本社の部署に行っても末端の仕事くらいしかできない。

それに対し,支店の総務であれば

総務,人事,広報,経営企画といった管理部門の全てを担当できる。

言うなれば中小企業の経営に直接携わるようなものだ。

札幌支店は当時全支店の中で最も規模が小さかった。

ということは新入社員でもいろいろ担当させてもらえるチャンスもある。

私は生粋の雪オタクで,雪にまみれた暮らしに憧れていたということも・・・多少はある。

 

配属面談では,このような自分の考えを伝えた。

みんなから「おまえらしい」と笑われたが

希望がかなって五月連休前に人生初の北の大地へと旅立った。

 

仕事は私が予想した通り,幅広いことを任された。

総務としての仕事はもちろん

・新入社員の採用

・情報化計画の策定

・損害保険会社との交渉

・現場の事務担当者を集めての講習会

果てには総務部長や支店長のあいさつの原稿から労働組合の書記長まで

とにかく多くのことを経験した。

 

ひとつ忘れられないエピソードがある。

 

総務の仕事の一つに「稟議書の精査・承認」というものがあり

私は広告と寄付に関する案件を担当していた。

 

ある日,某営業所から地元のお祭りに寄付したいという稟議書が回ってきた。

中を見ると「依頼があったから寄付したい」というあまりに杓子定規な内容だったので営業所の所長(50歳代)に電話をかけた。

 

私:「この寄付の稟議書ですが,もう少し正当な理由を書いてもらえませんか?」

所長:「どこがいけないんだ?去年も一昨年も同じ内容なんだぞ!(怒)」

私:「依頼があったからというのは理由になりません。いま営業中の案件を載せるとか,もう少し中身を濃くしてください。支店全体でも経費削減が求められている中,この文面では承認できませんよ。」

所長:「いちいち細かいことを言うな!だいたいお前,新入社員だろうが!(怒)」

私:「特に広告や寄付については見直していく方針をお伝えしているはずです。新入社員と言われますが,新入社員くらい説得できるような内容を書いて・・・」

言い終わる前にガッチャーーン!!!と電話を切られた。

 

 

その10秒後,隣にいる先輩(課長代理相当)の席の電話が鳴った。

 

先輩:「・・・はい,・・・・・・はい,・・・・はぁ,・・・ええ,・・・・・・」

というやりとりの後で

先輩:「それは藤岡が言っていることが正しいですから。その通りにお願いします」

とピシャリと伝え,電話を切った。

そして私に一言

「お前が正しい。よく言った。」

 

そんなこんなで自信をつけてもらい,

サラリーマンとしての日々が1年,2年と過ぎていった。

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