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塾長コラム

自叙伝10(転機)
自叙伝

私の生まれ故郷では,毎年夏に「ケンカ神輿」として知られる勇壮な祭りが行われる。

生粋の祭バカである私は,学生時代はもちろん

札幌勤務になっても毎年お祭りには故郷に帰り,神輿を担いでいた。

 

25歳。

社会人2年目の夏,いつものようにこの祭に合わせて地元に帰ってくると

中学時代の仲間を中心に総勢30人ほどの同級生が歓迎会を開いてくれた。

 

中には「大学に行く」と宣言して以来の再会となる仲間もいて

みんな口々に

「おまえはすげえ」

「俺らの誇りじゃ」

みたいな言葉をかけてくれた。

 

だけど,なぜだかその言葉を心の底から喜べない自分がいた。

 

中学時代からの悪友の中で,大学に行ったのは私だけだ。

ほとんどが中卒か高校中退で,25歳だったこの当時,定職についていない者もいた。

まだ世間知らずで何でもできると考えていた頃と違い,

おとなしくなり,少し元気がないようにみえた。

「おまえはすげえよ」

という言葉に対して,何か返そうとしても言葉が続かなかった。

 

自分は恵まれている。

運よくいろんな人に助けてもらった。

今は大きなやりがいのある仕事につけている。

でも,こうやって自分一人が世界をどんどん広げていくことが俺のやるべきことなのか?

それで自分が満足できるのか?

この親友たちと,ずっと対等に付き合っていけるのか?

そんなことを考えていた。

 

もう一点。

呉服屋のおっちゃんの元で勉強した膨大な量のファイル

これは私の宝物だった。

東京の大学時代,札幌のサラリーマン時代と場所が変わっても

必ずそれを持っていき,大事に棚に並べていた。

時々中を開いてみて

「こうやって一から勉強すれば誰でもできるようになるのにな」

と思ったりしていた。

 

その夏以降,またサラリーマンとしての日々に戻ったが,

自分の5年後,10年後を考えるようになった。

このまま会社で働き,語学力を身につけ,ゆくゆくは海外でインフラ建設に携わりたい

そう考える一方で,それが本当に自分の一番やりたいことなのか

自問自答を繰り返した。

 

そんな時,今のフジゼミの構想を思いついた。

自分が教わった一からやり直す勉強,これをシステム化できれば

もっと多くの人に同じように教えることができる。

他の科目も同じように一から教えれば

細かい点をいろいろ改良していけば

自分以上のレベルの大学を目指すこともできる。

サラリーマンとしての,自分一人がどうするかという道ではなく

もっと多くの人に,自分が経験したことを伝える道の方が

自分にしかできないことではないだろうか。

そんな思いが日増しに強くなっていった。

 

それから1年後,私は決心して会社に辞職願を出した。

 

フジゼミの構想はあっても具体的な準備は何一つしていないという

今考えると無謀とも言える行動だった。

あと1年会社に残ると,決心が揺るぎそうな気がしたからだ。

 

2002年12月31日付で大林組を退職

1週間後,苫小牧発秋田行きのフェリーで北海道を離れた。

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